齊藤綿店4代目の齊藤一雄です。高校卒業後、東京蒲団技術学院(現在は閉校)に入学。

後に「東京都現代の名工」となる澤田清子氏に師事しました。

手作り布団の技術と、「何事にも手を抜かない」という職人気質を学びましたが、世の中は大量生産・大量消費の時代。曾祖父の時代から続く家業も、そうした時代の波に飲まれていきました。

30歳の時、「これではいけない」と一念発起。「美しい布団づくり」を志し、直伝の技が凝縮された当店の「わた枕」は「硬くもなく、やわらかすぎない」と全国各地で高い評価を得ています。

手間暇の掛かる仕事で寝心地の良さに応えたい―。そんな思いで県南各地を飛び回る毎日です。

お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦さんが主宰するブランド「幸福洗脳」を知っていますか。

2018年11月、思いがけない出来事が起きました。仕事中いつも聴いている中田さんのラジオ番組の企画で「PRの方法が分からない職人の手仕事」を募集していました。早速番組宛にわた枕を送ったところ、中田さんから「従来品が高級食材だとすると、齊藤さんの枕は毎日食べたいもの」と高評価。奥様の福田萌さんや乃木坂46の井上小百合さんなどがSNSで好意的に取り上げてくれ『労働2.0 やりたいことして、食べていく』(PHP研究所)にも掲載して頂き、全国から注文が入るようになりました。

「幸福洗腦」枕は幸福洗脳乃木坂東京(東京都港区)で、カバーなしのわた枕は当店で販売しております。※2021年4月現在、幸福洗脳乃木坂東京は営業しておりません。

土浦市並木にある児童養護施設「道心園」は、当店の古くからのお得意様です。

毎年2月、子どもたちが使う布団を職員の皆さんと共に打ち直しています。

園には2歳～18歳までの約70人が生活しています。

職員総出で行う布団製作は、「社会に巣立つ子どもたちに布団を贈ろう」と2代目理事長夫人・横田千鶴子さんの発案。

20代の頃、「一日講師のつもり」で始めてから早三十余年。

毎年「お嫁に出すような気持ち」で布団を打ち直しています。