糸切りハサミ
私の汚い手の中にあるのが私のハサミです。「糸切りハサミ」です。イベントやワークショップで私のハサミを見ると懐かしがる人がけっこういます。
この「糸切りハサミ」がないと仕事になりません。ハサミを持ちながら糸を結んで切っていきます。値段は2000円までしないです。糸がスッと切れると気持ち良く仕事が進みます。なかなかそんなハサミには会えませんけど。一回で切れなくなると終わりです。
この前お客様とハサミの話しになり複数で使うと切れ味が悪くなると話したら驚いていました。父と母と私、3人ともそれぞれのハサミでの仕事でした。
ハサミももちろんそうでしょうが、手そのものが一番大事な仕事道具でいらっしゃる筈。匠の御手を、このような形でアップで拝見することが出来るとは、とても貴重な機会でした。
複数で使うと切れ味が悪くなるというのは、わかる気がします。ハサミの摩耗が早くなるということもあるのでしょうが、それ以前に、骨格も筋肉も、神経の使い方も、動かし方の癖も、本当に人それぞれでしょうし、動きの違いはとても微細なものだと思うので、ハサミに加わる力学的な影響も、人それぞれなのではないかと考えさせられました。
また、肉体は電磁的なフィールドを持っているし、筋肉や神経の中を電気が通ってます。それらは心理的な影響もあります。ハサミ=金属と、もちろん関係することでしょう。
トータルに、各人がハサミとのコミュニケーションを行う結果、相性も生じるのかも。「相棒」みたいなもんでしょうか。(それともすでに「手の一部」??)
示唆的なお話を伺い、ありがとうございます。手の話になると、自分の探究領域であるせいか・・と、今日はおとなしい言葉遣いで、極力、丁寧に書くように努めておりますが、ありていに言って興奮しております!!(爆)
まさにそれぞれの力加減が違うからだと思います。この作業をするときは手が動いていく感じです。頭より手が動く、そんな感じです。
「頭より手が動く」というのは言い得て妙でしょうね。現象としては理解できます。もちろん、私なぞが同じ動作をしたところで、そうなるはずはないですが。熟練による反復で、無意識下で運動制御が起こるくらい、脳と神経と筋肉や鍵、皮膚などの感覚の入力とその処理の図式(身体図式)が出来上がっているということでなのでしょう。認知科学と神経生理学を、もっと勉強しておかなくては(汗)専門外だなんて言ってらんないですから。
大変、興味深いお話をありがとうございました🦊